竹は「木」なのか「草」なのか

時々立ち寄る、お弁当屋さんがある。職場から歩いて数分のところにあるのだが、途中、珍しく竹が生えているエリアがある。ある日、いつものようにその脇を通り過ぎようとした時に、気になった。

 

「竹って、木なのか、草なのか」

 

これを考えるためには、まず自分の中の「木」と「草」のイメージを固めないといけない。

 

木は、高い。

桜、杉、松、どれも人の背丈をゆうに超える。

 

それに、硬い。

茶色い幹は太くゴツゴツしていて、伐採するには斧やらチェーンソーやらが必要だ。

 

草は、その反対に低くてやわらかい。

チューリップ、ススキ、たんぽぽ。中には比較的高いものもあるけれど、だいたい足元に生えている。

 

さて、問題は竹だ。

 

竹は、高い。しかも、すごい早さで伸びていく。というか、【たけのこ → 竹】への様変わりが、ちょっと急な気がする。ポケモンの進化と同じくらい唐突なスタイルチェンジだけれど、まだ「たけのこポケモン」はいないらしい。

 

話は逸れてしまったけれど、「では、竹は木か」と聞かれると、自信がない。

 

だって、笹の葉が生えているあの青緑色の部分を「幹」と呼ぶのには、抵抗がある。「では、竹は植物か」と聞かれても、「そうは言ってないけれど……」とためらってしまう。だって、やわらかくないし。

 

そんな時は、すぐにググる

ネット世代と呼ばれる年齢のくせに、いまだに「インターネットは便利だなぁ」としみじみ感じる。Skypeで海外と無料通話していても、「これ、お金払わなくていいのかな」と心配になる。

 

で、疑問の答えになりそうなサイトがずらりと並ぶ。やっぱりインターネット(とグーグル)は偉大だ。

 

結論から言えば、「竹は木でも草でもない」ということらしい。細かい定義やら学者間論争やらはあるけれど、だいたいそう思っていて差し支えない。

 

ちょっと意外だったけれど、ほっとした。

 

「どっちなのだろう」という疑問に対して、「どっちでもないよ」と答えてくれるのは、自分が"正しい疑問"を持ったような気がして気持ちがいい。

 

ちなみに竹と同じく、キノコもあくまで「キノコ」だそうだ。

確かに、キノコもどっちつかずというか、曖昧な佇まいでひっそりと生えている。

 

『胞子文学名作選』や『きのこ漫画名作選』といった、よく分からなくてモコモコしているキノコと文学を結びつけた本だってある。

 

そうなってくると、キノコほど竹は騒がれていない気がしてちょっとさみしい。

 

でも、仕方ない。

竹は、定義がちょっとあやふやなくせに、その姿に曖昧さがないからだ。

 

ピシッと固く、でもしなやかに、ぐんぐん空を目指す。「俺は俺なんで」と不器用だけど硬派なバンドマンのような姿勢で。まったく爽やかである。

 

そういうバンドマンってやっぱり売れない気がするけれど、僕は応援していこう。

 

そんな勝手なエールをよそに、今日も竹は竹である。