異色の王道-『亜人』
今現在、とにかく続刊が待ち遠しく、発売日にはすぐにページをめくり終わってしまう漫画。
その1つは、『亜人』だと声を大にして言いたい。
突然変異なのか、突如社会に現れた「死なない人間」、亜人。物語は、不意の事故から自身が亜人だと知った主人公、永井圭の逃走劇から始まる。
待望の12巻では、人間vs亜人の攻防が最高潮に。本作におけるジョーカー、”佐藤”の大立ち回りにくらくらしてしまう。
強力なチームワークと自己犠牲を武器に彼を追い詰める自衛官チームもさることながら、「生き返ること」を活用しながら難なく人の命を刈っていく佐藤は、本当に恐ろしい。
初めは、特異な設定とそれを活かした展開にばかり目がいってしまった『亜人』。だけれども、巻を進めるうちに純粋に"熱い漫画"になってきている。
特に、それを支えているのは歌舞伎の見得のような、すこぶるかっこいい一枚絵。「来るぞ、来るぞ」というこちらの期待に、ばっちり応えてくれる手腕はさすが。
今回も、何度も胸を熱くさせられただろう。
だんだんと、反撃の準備は整ってきた。
月並みな言葉だけど、ああ本当に、目が離せない。