ナインブックス

本にまつわることを、よく書く(はず)。

水風呂がみちびく新世界-『サ道』

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今日もまた、500円を握りしめ山中の温泉にやってきた。

広々とした露天風呂、オリジナルの珈琲、ピザ窯も備えた美味しいレストラン。

もう身も心もぐでんぐでんに溶けきって、ほてった体で幸せを噛み締めていた。

 

僕が温泉や銭湯を楽しめるようになったのは、本当に、タナカカツキの『サ道』によるところが大きい。

昨今、サウナが取りざたされることも多くなってきたけれど、その火付け役は本書と言っても差し支えないだろう。

 

始めは、どうして水風呂なんてものがあるのか分からなかった。

しかし、今。サウナ後の冷たい水風呂の中で生まれる"温度の羽衣"を堪能できるようになった。

サウナと水風呂を行き来するうちに血流の勢いは増し、トリップへ。

流れる水の音が大きくなり、水面の波紋を見つめていると、世界と自分が混ざり合っていく。

 

晴天の下、まぶしいくらいの緑に輝く木々の中で浸かる水風呂は、罪の味だった。

こわいくらいだぞ、サウナ道。

 

サ道

サ道